31
2023 / May
メディア
実車率がドライバーの収入にどのくらい影響が出るのか検証してみました

ドライバーの給与が決まる「実車率」

決められた時間内でどれだけ空車の時間を減らせるか。報酬アップのためにも、多くのタクシードライバーにとって意識せざるを得ないのが「実車率」です。

無駄な空車の時間を減らすことは、そのままドライバーの売上アップや負担軽減に直結。またそれだけでなく、交通全体の渋滞緩和にも良い影響を与えます。

つばめタクシーグループは今、この実車率を75%にまで引き上げることを目標に掲げています。今回の記事では、タクシー業界の平均実車率50%から75%に推移した時、ドライバーの給与はどのように変化するのか検証してみました。

 

実車率の向上により、交通全体にも貢献

当社が実車率の向上に力を入れている理由の一つに「MaaSの実現」があります。MaaSとは『Mobility as a Service(モビリティ・アズ・ア・サービス)』の略称です。

「最先端の情報通信技術を使って移動の効率化を目指す」という意味を持ち「サービスとしての移動」とも訳されるこの言葉は、2016年にフィンランドで始まった実証実験を機に世界に広まりました。

社会全体の移動の効率化のため、タクシー会社として目標に掲げるのは「あらゆる交通手段の最適化」、そして「シームレスな予約・案内・決済の実現」。そのための経営戦略として、数多くの制度やシステムを構築しています。

 

効率的な配車を叶える「5分後の空車情報を共有できるシステム」

そしてこの度、当社では、実車率を向上させるために「5分後の空車情報を共有できるシステム」を導入しました。

実車時には、車内のAIタブレットの左下に白色の「空5」と表示されます。5分後に空車になることが分かったタイミングでドライバーがボタンを押すと、赤色の「空5入」に変化する仕組みです。

このステータスは、配車を担う内部システムと連動。どのタクシーが5分後に空車になるかを先んじて内部で把握することで、従来よりもさらに効率的な配車を実現できます。「乗れたかもしれない/乗せられたかもしれない」という、お客様とドライバー間でのすれ違いを未然に防ぐことができるのです。

 

【検証】実車率50%→75%になった時、ドライバーの収入は?

このような施策により実車率を高めている当社。では実際に、実車率が50%から75%に推移したとき、ドライバーの収入はどう変化するのでしょうか?
 

  実車率アップによる給与の増加率  

50%から75%に実車率が推移した時、同じ額の売り上げを3分の2の勤務時間で出すことができます。
そのため、お客様を載せた時間の増加率は(1 – 2/3)/(1 – 1/2)=約0.33。

 
つまり、ドライバーの成果給が33%ほどアップするのです。例えば実車率50%時点で月に10万円の成果給を得ていた場合、同じ勤務時間で33,000円多い収入を手にすることになります。
 

 

実車率の向上によりドライバーは収入が増え、お客様は効率的でシームレスな移動が可能に。またそれだけでなく、交通渋滞緩和による地域経済の活性化、CO2の削減による環境汚染対策にも繋がる社会貢献性の高い取り組みです。

 

MaaS実現を目指す施策が生む、さらなるメリット

実車率を向上させる施策により実現されたのが、未経験者から経験者まで安定的に成果を上げられる体制。「ドライバーをはじめてみたい」とお考えの方にはうってつけの環境が整っています。

「AI需要予測システム(乗車ニーズがある地域をMAPに表示)」なども導入されたAIタブレットのアップデートも、今後随時行われる予定です。

ドライバーと交通の未来を明るくしたい。
私たちはそんな想いを胸に、効率的な働き方を叶える施策をこれからも打ち出していきます。